
1970年代のサーフファッション
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YUKI NISHIMURAは1970年代のサーフデザインを基調に「直線的で雑音のないデザイン」を目指しておりますが、そもそも1970年代のサーフファッションはどういうものなのか、少し紐解きたいと思います。
サーフファッションは、サーフィンブームが世界で起こった1970年代に誕生しました。サーフィンという「自然と融合する自由なスタイル」が生き方やファッションに派生し大きなブームを起こしました。また、アメリカの西海岸、特にカリフォルニアやハワイのビーチで誕生した1970年代のサーフィンカルチャーはその象徴として若者に広がりました。
この頃、日本でも影響を受け、特に湘南、鎌倉ではサーフィンが盛んに行われていました。RASHウェットスーツなど、日本を代表するサーフブランドが誕生したことも、サーフカルチャーが根付いた要因かと思います。
「自由」や「自然との融合」を意識したサーフカルチャーの発展とともに、ファッションにも影響が表れました。特に、サーフィンを題材にした映画「ビッグ・ウェンズデー」(1978年公開)の登場によって、サーファーのライフスタイルが一般にも広く知られるようになり、サーフファッションも同時に浸透していきました。当時日本でも雑誌『JJ』や『ポパイ』で、サーファーファッションが特集され、若者たちの間で人気となりました。1970年代はサーフィンが波に乗るだけではなく、ファッションやライフスタイルとしても確立された時代であり、日本でもその文化が花開いた時期となります。私が生まれた1975年はエネルギッシュな時期だったと想像できます。
1970年代のサーフファッションは、リラックスしたスタイルが特徴で、Tシャツやポロシャツはスモーキーカラーやブリーチしたような色あせたカラーを採用し、Ocean Pacificに代表される胸に横ラインのデザインが主流でした。サーファーショーツ(ボードショーツ)は、ナイロン素材で膝上までの長さでデザインされていました。今の若者にとっては膝上のデザインは抵抗があるでしょうね。1970年台は、「これぞ、サーファー」というスタイルを確立していました。そうなんです、「これぞ、サーファー」、私にとってのサーフデザインは1970年代にあります。YUKI NISHIMURAも当時のデザインにインスパイアされTシャツ「PEAK」、ポロシャツ「SWELL」をリリースしています。当時の「自然と融合する自由なスタイル」は「個の時代」が注目される現代にも繋がっていて、昔から「なりたい自分」を意識していた私にとっては1970年代のサーフカルチャーはすごく刺さるマインドなんだと思います。
サーフファッションは時代とともに変遷を繰り返しています。先日は1980年代のサーフファッションが大好きな方とも出会いました。人によって興味のある年代が異なりますよね。ファッションはその人の当時の思い出や考え方とも強く結びつきますし、それはとても大切なことだと思います。近年、1970年代サーフデザインの洋服が少なくなっていて、残念に思っていましたが、それはきっと自分の当時のアイデンティティーが時代から消えてしまうのではという気持ちも働いているのかもしれません。
今回はYUKI NISHIMURAの原点でもある1970年代のサーフファッションについて触れてみました。洋服の興味は人それぞれ異なると思いますが、YUKI NISHIMURAを通じて、少しでもサーフファッションに興味を持っていただけると嬉しいです。引き続きよろしくお願いします。次回のBLOGもぜひお読みください。